シャンティ二ケトンにて

こちらに来て3週間と少しがたちました。毎日ただただ生きることで精一杯の日々が続きました。今日からブログを書き始めます。一日何度も停電があるのと、思うようにネット屋さんが使えない、自分のコンピューターを置いてくることになった、という理由で毎日更新はできませんが、毎日のことを書いていきます。またお立ち寄りください。

03/08/2008
コルカタに着いたのは昼前だった。昨晩はタイの空港で一晩寝袋にくるまり寝た。少し薄暗い印象の入国ゲート。外に出ると真っ黒に日焼けしたタクシーの運転手たちがうろうろとしている。町まで50分くらいだろうか。なぜか涙がとまらない。なぜか。そのうち雨が激しく車内まで打ち付け、そして町につくころ太陽がさしはじめた。
04/08/2008
ハウラー駅からシャンティ二ケタン.エキスプレスに乗り、2時間半。ボルプール駅に着く。車内には次々と物売りが来る。朝からあまり口に食べ物を入れていなかったので、果物らしきものを食べる。グアバにスパイス入り塩をかけたもの。その場でディディ(お姉さん)がきって売ってくれる。駅に着くと留学生の本田さんが迎えに来てくれている。これから彼女にとてもお世話になることになる。リキシャーに乗り込み、彼女の家に向かう。30分ほど30ルピーになる。交通ルールがすべての人の判断にゆだねられているかのような日本では考えられない道路事情。駅前をぬけ、シャン二ケトンの村に入ると、美しい赤土の道が続いた。牛に豚にヤギ。人とともに行く。
05/08/2008
初めて学校に行く。それからタイ人のアートの助けてもらって必需品の自転車を買いに行く。交通事情がとんでもないので、命の危険を感じる。とんでもないけど、みななぜか事故のなしにすごしているようだ。
06/08/2008
朝7時に起きる。掃き掃除拭き掃除を済ませるころ、魚屋が来た。「まいまい〜マーチ」といいながらやってくる。マーチとは魚のことだ。人によっては留学生でも使用人を雇って掃除をしてもらう。ごみを火に投げる。書類の整理を終えると昼になり、そのころには太陽が高く上がっている。暑さはそれほどでもない。でも油断は禁物。外の原っぱはサンタルの人(原住民)のトイレらしい。かれらは今でも昔と同じ暮らしを営んでいるそうだ。目の前にサンタルのクレイハウス(土壁の家)が並んでいる。画材屋でノートを買う。インドでは人との会話なしにものは買えない。これがほしいと言って出してもらうスタイルだ。ネット屋に行くと「明日故意」と言われる。家を探しに行く。
07/08/2008
タゴールの命日。植樹祭の日。学校に行くと学生がみなで、花飾りを作ったり、楽器を演奏し歌を歌っている。少し手伝う。手伝った人には必ず食べ物が手渡されるようだ。バナナにゆで卵、ミスティ(デザート)それにチャイ。雨の中セレモニーが行われる。泥まみれになりながら裸足で歩いた。いい日とは雨の日をいうらしい。植樹のために、巫女のような5人の女性が列を作り、学校の中を練り歩き、広場で儀式を行う。一人は私のお世話になっている本田あっちゃんだった。5人というのは、水、土、火、風、空を意味し、それぞれはその意味を持つ物と、花飾りをする。服はサリーだ。広場の向こうに大樹があった。何か特別な気がした。私はこの樹に会うためにここに来たのではないかと思った。すると隣にいたアヤさんが「あの樹がタゴールのお父さんが見つけた樹だそうです」と教えてくださった。タゴールの父は瞑想のための樹を探してこの村にたどり着いたという。はじまりの樹。
08/08/2008
今日は植樹祭に続き、ホロゴーシュの祭り。ここでは1年に13回祭りがあるという。朝7時半に家を出て、シュリ二ケトン(農学部がある村)へ着くと、広場もその間ありも準備が始まっていた。学校の始業時間は7時半。朝はそんなものだ。私たちはアヤさんのおかげで、とてもいい内側の席でその儀式を見ることになった。歌に踊り、小学生から大きな学生までが列をそれを行う。黄色と赤の衣装を身につけ、踊る姿は本当に美しい。こんなに豊かなものに包まれていいのだろうかと、涙が出た。花飾りをつけた牛が入ってくる。牛は神様だそうだ。きのうとはうってからって太陽がまぶしい日だった。
09/08/2008
今日からはオフィスをまわり、いろいろと滞在の手続きをしないといけない。ひとつ大きな問題を抱え、急遽コルカタの領事館へ行くことになる。住めないかもしれない。
10/08/2008
コルカタに移動。ウリさんとの1泊2日のコルカタ滞在。明日月曜日、領事館へ行く。
11/08/2008
領事館へ行く。領事のはからいで書類を手にする。今晩中には帰らないと、警察の届出が遅れ、罰金を取られるからだ。この書類をもってしても、滞在許可がでるかはまだわからない。22時10分シアルダー駅発グール.エキスプレスに乗る。ボルプールに着くと深夜2時。安全そうなリキシャーだと判断して乗り込んだが、夜は怖かった。やっと家までたどり着く。途中親切な人たちに数々の助けをもらった。駅までお世話なったササンコダー親子、列車の中の家族、そして領事、ウリさん、周りのみんなに感謝する。
12/08/2008
朝からオフィスへいく。警察へのレターが出た。やっとこれで明日警察にいける。滞在できるかはまだわからない。
13/08/2008
外国人滞在登録のため、バスで1時間少しシュウリまで行く。バスはまさにすし詰め。ホコリとにおいと激しい揺れに気分が悪くなる。話をしていると舌をかみそうな感じ。警察の方にとてもとても親切にしてもらい、手続きが終わる。これで滞在できる!ほっと一息つく。さあ、私はとうとう体を滝にほおり投げた先にいこうとしているようだ。
14/08/2008
やっと学生証をもらうことができた。
15/08/2008
家を決め、引越しできる日がわかった。来月半ばだ。映画館に行く。名前はギータンジャリ。タゴールの詩集の名前だ。映画が終わると、一斉に拍手。驚いた。大家さんにデポジットのお金を払いにいく。帰りにくちなしのような香りのする白い花を持たせてくれた。「あなたが住む部屋の前にある花です」と。
16/08/2008
シスター&ブラザーデイ。女性が男性の手首に親愛の気持ちを込めて飾りつきの紐を結ぶ。男性は何かを返すらしい。この日は魚料理を食べるらしく、それを用意されただんな様は奥様にサリーを買わなくてはいけないらしい。お。。。サタデーマーケットにウリさんサクラさんナナちゃんと、タヒチとマニといく。その後コパイ川に行く。帰り道、暮れなずむテラコッタ色の道の先に、大きな満月がみえる。今晩の月は忘れない。