1月17日

イラストレーターのワックンから電話がかかる。15年前の2月に当時元町商店街にあった私の家の前を使っておこなったイベント(ある事)の件だった。自分たちに出来る事をやろうということで友人達が集まり、ミュージシャンは音楽を奏で、絵描きは絵を描き、ジャズ喫茶のマスター達は珈琲をたて、ホットワインを配るために男連中が集まってくれ、気がつくと人だかりになっていていた。人、人、人。みんな一瞬にして環境が変わってしまって、それぞれ特別な思いをしていて。でも必ず朝も来たし夜も来たし、太陽もお月さんもそこにあった。「おねえちゃん、この絵もらってかえってええか?」っておじさんに声をかけてもらったとき嬉しかった。なにが嬉しいかというと、そのおじさんが「わしな、絵とかようわからんけど、なんかな、欲しいなとおもて、」と言うような事を言っていたから。自分が認められるとかそんなのどうでもいいんです。自分がするべき事をしていたら、必要とされるときに必要なところにちゃんと届くものだと思っているので。あのとき描いた絵は、あのおじさんに必要としてもらったのだと思います。今年は震災から15年という事でワックンはこのことを文章にすることになっているらしい。「ひろこちゃん、あれ2月の何日やったかおぼえとう?」「おぼえてない。。」「あのとき、もう水出てた?」「ん、、おぼえてない」そのやりとりの横で母が「水出てた」って。今日は母の記憶力が一等賞でした。
もう15年です。