一夜

ささの葉さらさら のきばにゆれる お星様きらきら きんぎん砂子
七夕さん..今夜の仏壇は桃とこんぺいとうのお飾りです。私の住む町では商店街の柱に笹が立てられ、そこに短冊がいっぱい吊ってある。今朝その横を走り通ったら、大きな短冊に器用とは言えない大きな字で「みんなが幸せでありますように」と書かれていた。手を振る様に揺れていて胸がぽっとなった。北海道帯広で育った母はこう言う。「北海道はね、笹がないから柳を採って来るの。重たい鉈(なた)を持って友達と一緒に何丁も歩いて行くの。2キロくらいかな。帯広川の堤防の柳の木を切りにね。長さ2メートルくらいのを切って、肩に担いで家まで帰って、家の軒下に立てて飾りを付けるの。木は前の日に採って来て、飾りはその日に付けるの。その日のために折り紙を貯めておいてね。友達と持ち寄って、願い事を書いたり、まわりの大人にも書いてもらって、糸を通して吊るの」「終わったらまた川に流しに行くの」母は横で目をつぶったまま話をしてくれました。