窓の向こう側

ただするべき事をする。
母が姉の結婚式のときに伝えた言葉は「信じること、そして許すこと」だった。私は19歳だった。
私の部屋の窓はガラスに木の枠で、眠りにつく直前まで、ガラス越しに星を追うことができる。10月のオリオン座は私にとって特別な存在で、南の空に目を向けると名残おしくて、なかなか窓を閉められずにいる。