小説からの絵

一緒に過ごすということは、少なからず影響をうけあうもの。
5歳年上の姉から私はずいぶん影響を受けてきました。
中学生の私にとってインドのお香が扉から漏れる姉の部屋はとても神秘的な場所でした。その様子に父がずいぶん心配していた事をおぼえています。
幼い頃から一人遊びが好きで、小学生になると詩をかいたり絵を描くようになりました。ピアノをはじく事が好きで頭に浮かぶ動物の足音や鳴き声を鍵盤で探して曲を作りました。
中学の時に好きだったものは、自転車での探検、音楽はデビッド・ボウイ、食べ物はだんぜんパセリ。パセリは好きで好きで昼休みまで待てず休み時間に早食いしていました。高校の時は部活でほとんど毎日くたくただったけど、進路で美大を選んだのも、姉に連れて行ってもらったブリキの自発団の演劇や、サルバドール・ダリの作品を見た事が大きい。舞台美術家に憧れ、劇場に行くことが大好きになっていきました。
いつも思うことは、何かと出会うことの豊かさ。
これは神様からの祝福だと思っています。
そして神様は思いがけない時に思ってもいない出会いを与えてくれる。

さて、小説からの絵。
2000年頃に7つの小説をモチーフに絵を描きました。選書は身近な人に頼みました。
稲垣足穂一千一秒物語梶井基次郎檸檬小川未明「赤いローソクと人魚」原田宗典「思い出せない約束」宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」ジャンコクトー恐るべき子供たちイタロ・カルヴィーノ「むずかしい愛」
その中から2点。現在ギャラリー島田deux(神戸)にて島田誠コレクションとして飾られています。