星の丘のレモン、かよちゃんの吊り手紙

星ヶ丘でのことを残してみたいと思い
文にしました
忘れないうちに、かよちゃんのこと
忘れないけど

かよちゃんの吊り手紙

朝、丘に辿り着くと母屋への道しるべの布に高濱さんへと書かれたものが安全ピンで留められ風まかせにヒラヒラしていた

これは置き手紙でなく、吊り手紙!
裏を見ると「散歩コース」とかかれていて、
かよちゃんからの手紙だとすぐにわかりました

かよちゃんは丘の陶芸教室と青空ヨガのメンバーで、「高濱さーん、レモンのパウンドケーキ作ってきたから食べて」と言ってしまう人で、隣り町に住んでいます
前の日に私が散歩に行ってくると話したら、おすすめコースの地図を書きますと言ってくれ、その夜は赤阪さんの神話のお話会で気づけばまたねも言わずに帰ってしまったから、

朝にここへ来て手紙を吊ってくれたんだ
と思うと安全ピンをはずすことも初めてのことになりました
パステルカラー封筒の水玉模様の折り紙便箋の二枚目には私が知りたかった野道への地図が書いてあって
「空が広いです!」とありました