別れとはじまり

1ヶ月ともに滞在した嵯峨芸大からの留学生の3人が帰って行った。ボルプール駅まで見送りに行く。駅の近くは交通渋滞が激しい。対向車がぎりぎり通れる道幅に、車、オートリキシャー、リキシャー、自転車、通行人がごった返す。足元には露天商。車が足に当たらないように少し引っ込めながら運転する。道はがったがた。この時間は込む。ボルプール初コルカタのハウラー駅着のシャンティニケタンエキスプレスの出る時間だからだ。ぎりぎりみんな列車に間に合い、ホームに走る。インドでは走りはじめた列車に飛び乗る姿は当たり前だが、今日は穏やかに列車はホームをさった。最近はストや変更が多く、2時間半でいけるコルカタが5時間以上かかっりすることもあるらしい。3人が帰り、また新しい環境が始まる。一昨日からインドの古典絵画の指導を受けている。急に忙しくなってきた。

17/08/2008
私のスペースが出来た。壁画と絵画の学生が使うスタジオの一角、畳1畳半くらいの台の上に机がのっている。机の収納には鍵がかかるようになっている。それはインド人的には外に出しているものは勝手に使っても問題なく、大切なものは必ずしまっておく必要があるようだ。はっときづくと「ペン借りているよ」なんてことはよくある。勝手にノートを見ていたりもする。今日も夜空が美しい。あるがままのものがあふれている。これ以上、必要なものがあるのだろうか。
18/08/2008
朝からスタジオでワーク。用務員のトゥルンダーはこのところ毎朝、鳥の絵を描い
ている。彼の絵はとてもいい。手が空くとタイミングを見てチャイを入れてくれる。私が外に出ているとチャイが入ったと合図してくれる。家の前の赤土を取ってきて、それ使って絵を描き始める。いつも見ている広がる原っぱと、満月から描き始める。手を動かしていると落ちつきはじめた。明日は手紙を書こう。
19/08/2008
部屋の中にやもりと蛍。やもりが蛍を食べる。家の近くには蛍の集まる樹がある。停電の夜は特段美しい。絵を描き始めたものの気が乗らない。続けてみる。
20/08/2008
兄貴分のアノップは南インドのケラーラ州の出身だ。ここはインド全国から学生が集まっているので、彼らのコミュニケーションは英語で行われることも多い。アノップの話す地元の言葉は、カールした髪の毛のような音だ。今日の夕空は本当に美しく澄んで高かった。天からシャワーが降っているようだった。西の空には明けの明星が輝いていた。
21/08/2008
バスで40分、ボノロキ村の農家にご飯を食べに行く。ガタガタ道を走るバスのゆれにも慣れてきた。