こども達と

今日は何人のこども達に囲まれたんだろう。数えられないけど、100人以上だな。タヒチのご両親が、ジャングルの中の村に学校を作った。8月ごろに一度そこに連れて行ってもらったが、まだ開校されていなかったので、何もかもが新しくピカピカの無味無臭だった。学校が始まったと聞いたので、ぜひ連れて行ってとお願いしたところ、今日そのチャンスが来た。私の住む村から車で30分ほど。整備されてコンクリートのバス道を脇に入っていくと、ジャングルの中に赤い道が続く。赤い道はベンガル語で「ラルマティ」という。私はラルマティが好きでたまらない。トランポリンでもしているかのように縦横斜めにゆれながら、車の中でそんな話をした。まず、近くのサンタル村に行くことになった。サンタル族は原住民。彼らの家はとてもユニークで美しく、清潔。そこで、ウェルカムの熱い視線を受ける。サンタルといえどもいろいろな顔があるもんだ、とこっちもジロジロ見るから向こうもジロジロ。そのうち笑い出して、囲まれて、となる。今日気がついたんだけど、彼女達の胸の上(肩甲骨の間あたり)には、刺青みたいに文様がある。太陽?「スーリヤ?」と聞くと、はにかんでそうだという。やはり太陽。胸だけではなく、手の甲の親指の付け根にもある。親指の付け根には、太陽ではなく魚をつけている子もいた。3歳くらいの女の子には付いていなかったけど、小学生くらいの女の子はもうしっかりと太陽が刻まれてあった。何度かサンタルの村には行っているけど、今まで気づいたことはない。ここだけかな。。最近少しベンガル語を話せるようになったので、村のこどもと少し話ができるのがうれしい。男の子は、ビー玉で遊んだり、近づいてきては笑っている。彼らは朝起きるとき、今日は何しようとか考えるのかな?今日の予定は?とか、今日はどこに行かなくては、とか。私そういうの、最近とても好きじゃないんだな。その日何が起きるかなんてわかる由もないのに、自分で形作って、それに向かって過ごしているような感じ。嫌だな。電車に乗って、行き先とその目的だけにとらわれて過ごしているようなの。嫌だな。
それから学校へ行った。4クラス。教室の区切りは二つの壁だけ。屋外といったほうがいいだろうな。どのクラスも「ナマシュカール」と挨拶しあい、みな私にノートをみせにきてくれた。国語の教科書には、タゴールが日本に訪れた話が載っていて、少し驚いた。みんな日本を知っているみたいだった。そして私はベンガル語で挨拶して、楽しい時間をすごしたのでした。