誕生日をむかえる。

40歳というのは私にとって節目となった。今までにはない意識で向かえることができた。それまでの2週間ほどなぜか重い雲が乗っかっているような雷が今にも落ちてきそうな(事故にあいそうになったり自転車から転倒して吹っ飛んだり)かんじだったのが、誕生日を境に晴れた空が見えた。そしてシンプルに物事を捉えるようになった。
2月8日、学校にある紅の木の実でシルク糸を染める。麻子さんが手伝ってくれる。マニプール州(インド東北部)では女の子が生まれるとこの木を植え、嫁入りのときにその実で染めた生地を持たせるそうだ。赤く染まるはずが、赤い液につけた途端、銀を帯びた緑色に染まった。本にも載っていない結果に二人で驚く。まさに一寸先はわからぬもの。
日本人が集まってきてくれて誕生日会をしてくれる。
みんなからいただいた花束を持ち、川へ向かう。なんて美しい風景なんだろう。水田に映るやしの木を眺めながら茶をのむ。
のぞみさんの家から夕日を眺める。大きな紅色の光。紅の木の液のようだ。
その日は好きなものを思いっきり食べる。