ひかりのくに

少しノッポな木の上に三日月がひっかかっている。
雨上がり、無数の雫に月の光が映っている。
幼稚園は教会だったので、クリスマスが近づくとキリスト生誕の劇の練習をする。私は馬小屋の人の役だった。粗末な風貌の衣装を自分で用意をすることになっていて、母が男物のグレーがかった茶色のウールの生地でスカートを作ってくれた。少し長めの丈で、役柄も多分地味だった。