宝珠の彼女

展覧会のタイトルが決まったという知らせは、3週間の時がすぎ次へと駆け出した彼女から届いた。堀江まどかという人は、大きな瞳でタイムトンネルを行き来する不思議な国の住人であり、白い紙飛行機に乗り出雲から飛んで来たその風を知る人で、時をならす、ギャラリーコロールのオーナーです。前回の展覧会「ゆげ」では、過ぎて行く時間がもたらす優しさをおしえてもらいました。美しい短編映画をみ終わった時のような気持ちでギャラリーを後にしたことをおぼえています。
新年の出雲で私は彼女の家族と出会いました。お母さんの言葉の合間に、時々お父さんの言葉が入ります。出雲では毎年、両親主催の堀江まどか写真展が開かれているそうで、その会場には親戚や近所の方やみんなが集まって来られるそうです。お兄ちゃんは地元のバスケットチームのキャラクターその名も「すさたまくん」を生み出したデザイナーで、須佐之男命と勾玉から誕生した「すさたま」秘話ときかせてくれました。家族の一員のようにお餅の入った白味噌の雑煮を頂いたことを思い出します。豚肉のピカタに、出雲そば、里芋の焚いたのは絶品だった。彼女の実家の稲荷神社で見上げた夜空は、彼女しか持たない白色のようでした。雪解けの音は犬の遠吠えのように渡っていきます。彼女と出会い、七色の白があることを知りました。
堀江まどか写真展「宝珠」http://gallery-color.com/banana/20110505125031.html