灯火

火。
東野さんが帰る前の日に、二人で訪ねた家があった。私と同じ年の画家の夫婦、7歳くらいの男の子がいて、キングとクイーンの名前がついたプロポーションのいい犬が2匹、白い光が差し込むモダンな家にい住んでいる。彼らの家で、紙芝居を持ちあわせていなかった東野さんが急遽、暗い暗いまっくら闇のまっくら闇の、、とパフォーマンスをした。
灯りがともるということは、光だけでない影という闇もつくる。
バルセロナサグラダファミリア贖罪聖堂へインドから蝋燭をもってきた。何を持っていこうか考えていたときに、東野さんが「これええやん」と言った。インドの蝋燭は太い灯火で一度つくと少しの風では消えない。でも時がくればおしまい。火のリレー。
聖堂で、ガウディの仕事の話をきく。灯火へとつながることだった。
いつかの停電の夜、東野さんと蝋燭をはさみながらきいた話を思い出している。

バルセロナは、あさって大きな祭りがあるそうです。