山ごはん

親しい友人の手術の日、私たちは珈琲店で何気ない話をしながら彼女が出てくるのを待った。
それからどこに昼ご飯を食べに行こうと山の中の茶屋に向かうことにした。茶屋はバス道から2、30分入ったところにある。平日の昼過ぎ、閉店間際でほとんど人もいない。川からの水の音が留まることのない時をさしているようで、添ってみたいと思った。そうしたら少しほっとした。山ごはんは、丸みのある三角の、きざみ昆布がのったおむすび2つに玉子焼き。紅葉がはじまる山道に、みの虫が揺れていた。
冬がはじまる。