恐山

下北まで行ったら、小さい頃から飛行機で行った母の故郷の北海道も違って感じるのかな?って思った。公開制作が終わったらどこか寄り道をして帰りたいと思っていたら一番にすすめられたのは恐山だった。こわくて行けないって思っていたところ。なんでこわいと思ったのかな。
前の夜は眠れなかった。
ホテルをチェックアウトして下北駅から霊場恐山行のバスに乗る。私のほかに女性が4人、外国人の男性が1人乗っている。静かなむつの町を巡回して山道に入って行くと、美しく木々が並ぶ林に吸い込まれて行く。これは杉?いやブナかな?判らないのが少しもどかしい。恐山の案内テープがまわりはじめる。耳を傾けるけど、女性たちの賑やかな声にかき消される。カーブを曲がるたびに少しどきどきする。死ぬこと、生きること、なんだか変な気分。バスは山道の途中で停車する。冷水というあらたかな湧き水をいただくために止めて下さったよう。手がしびれるほど冷たい。そしてまた上へ上へと上って行く。
はっと気がつくと目の前に翡翠色の水面が広がっていた。

極楽浜にいるとからだが浮いている様に気持ちいい。
離れがたいがたいほど。