雨の楽団

五線譜の電線に雫の音符が並んでいる。
ときどき音符は姿を消して、
次のページに移っていく。

遠くの杉の木は白い衣をきている。
山も揃って白い衣。
そうろそろと横にゆっくり揺れながら、出番を待つ声楽隊。
近くにいったらきっと息が聞こえる。

私の部屋の外は音楽劇の舞台みたい。
落ちた雨たちは ぱちぱちと拍手喝采している。