海の向こうを思う_フィリピン

フィリピンの山奥への道で、戦争の跡地を見ました。
深い深い山並みの中に、ときどき異様な風景を見ました。
他の場所と違って、木が植わっていないのです。
70年前に日本軍が進攻した村のあった場所は、汚れの地とされ、住む事も木を植える事もなくなったと聞きました。
村人が移住した村では、父親を知らない日本人の血を持った人が住んでいると聞きました。
その地には、今でも日本から遺族の方が遺骨を求めやってくると聞きました。
戦争は何を残すの?
「戦争はいけません戦争はいけません」って何度も心の中で死者に手を合わせ山を見渡しました。

私はピカピカのアーケードの中で育ったので、夜の静けさや暗さが怖くて、はじめて静かな住宅街に引っ越した時はなかなか眠ることができませんでした。
あれから15年。
今はピカピカの電気を時代遅れのように感じます。

ルソン島の多くの川の源、カチャクラン村にて)