すみか

家に帰って一番にしたことは、窓の外のあの美しい家を眺めること。ところが前の日まであったあの蜘蛛の家はなく、三方に広がる土台の糸だけが線を描いていた。蜘蛛の魂の家はあのぷっくら膨らんだ体の中だけなのかもしれない。蜘蛛の魂の家はどこかに旅立って行った。
今、神戸北野にあるギャラリー島田さんで行われているミニアチュール展に参加させていただいています。小さな作品を2点出しています。一つは紙の上に青を重ねていったもの。一つはインドの切手をモチーフに描いたもの。この切手はインドのコルカタカルカッタ)の郵便局前で気に入って購入しました。郵便局は白い石(大理石かな)でつくられたドーム型で、そのまわりはインドで一番衛生面が悪いと言われるコルカタの匂いとむせ返るような湿気と暑さと激しい音が渦を巻き、様々な人がそのまわりを生きています。私はそんなコルカタが好きです。切手の柄はインド北西のカシミール地方の風景。カシミールに行った人は、桃源郷の様に美しいよと教えてくれます。でもパキスタンとの国境にあたるカシミール渡航危険地区とされています。今朝のアルジャジーラのニュース番組ではまた国境で対立し何人かの人が犠牲になっていったそうです。兵士達は土ぼこりに身を包み、満天の星を眺めているのかな何かを想い歌を歌っているのかな。
http://www.gallery-shimada.com/schedule/exhibition/miniature_1007.html#exhibition