ことばのば

昨日はいつもの珈琲屋さんで遅めの朝食。坂を下ってしばらく行くと私の通ったいずみ幼稚園(神戸教会)が見えて来る。その横で今WAKKUNの展覧会が開かれている。タイトルは「絵と字と言葉」。ワックンの、太古の時代から続く命への感謝と未来へのメッセージ。「ある小雨まじりの朝、その風景の中に立つ人の姿をみて、ただ存在しているだけで素晴らしい事なんだ、と心から思えた。そう思うととても楽になった。」って話しててくれました。
その会場で映画監督のはなぶさあやさんに会う。一目惚れしてしまった。彼女の初監督作品となる「祝(ほうり)の島」はずっとみてみようと思っていたもので、展覧会の後に向かうつもりでいた。「何がきっかけて島に渡ったのですか?」「本橋成一(写真家・映画監督)さんの「アレクセイと泉」の上映をするために、その手伝いで渡ったのですが、最初28年間原発に反対している島ときいて、どんな顔をして行けば良いのか?と勝手に島のイメージを作ってしまっていました。でも訪ねてみると私が作っていたイメージはどこかに行ってしまって、みんなユーモアがあるし、なんでしょうか、この人達は何か大切な事を知っている気がして、それでどうしてもそれを知りたくて。2年間東京と祝島を行ったり来たりしながら、島の人達の暮らしの中に....,,」って話してくれた。本当に素敵な映画で、私は何度も自分がそこにいるように島民の人達と笑った。終映後、舞台挨拶トークではなぶさあやさんは28年間原発施設建設反対を訴え続けている瀬戸内に浮かぶ島、祝島(いわいじま)の現状などを話してくれたが、中でも印象的だったのは、映画に出演している亀二郎さんの棚田でのエピソードからのことでした。
「棚田は島の一番奥にあって、1時間以上も歩いて歩いて、やっとたどり着きます。そこへ初めて着いたとき、まるで天空の城のようだと思いました。そして毎日そこに通い、作業をみていて、この棚田がこの後、誰にも引き継がれることなく、自然に帰って行くことはとても受け入れがたく感じました。そこから見える海の向こうの原発工事(原発施設は自然に還る事は決してありません)と棚田をみながら。。最初はそう思っていましたが、私の中に今まで無かった思いが生まれました。それは亀二郎さんの言葉からでした。ちっぽけな人間がつくるものは、いつか大きな自然へと還る。私の中に、それでいいのだという気持ちが生まれました。」って言うことを話してくれました。ぜひみてみて下さい。
祝(ほうり)の島 http://www.hourinoshima.com/
ワックン展覧会「絵と字と言葉」 http://hwbb.gyao.ne.jp/circusx2-pk/tenran.htm