2011年始動

寒中お見舞い申し上げます。
今年もよろしくお願いいたします。

からっぽから始まった2011年は、どういった年になるのでしょうか。一月も半ばを迎えようとしています。年の始まりは静かでした。
1月6日には紙を求めて出雲へと向かいました。記録では江戸時代、八岐大蛇伝説の斐伊川沿いは松江藩に懐紙を納めるなどして紙の産地として栄え、約50軒もの紙漉工房があったそうですが、今ではただ一家族が伝承するのみとなりました。縁あってその一軒である斐伊川和紙さんを訪ねました。1月8日、蛇行する斐伊川は暴れ川の異名を持つにも関わらず、雲の行方を川面に映し静かに真白な山落を流れていました。工房はそのような風景が見渡せる山の斜面にあります。裏山から絶える事なく流れ続けている水を使い、その脇の畑で栽培されている楮(こうぞ)を原料とし、刈り取りから手作業で進められて行く先に漉く作業があります。必要な時間を経て出来上がった紙は凛とした音を立て、雪降る風景の中で透かしてみると目が覚めるほど美しかったです。
その後、奈良墨の老舗、古梅園を訪ね、気に入る墨と出会いました。
紙の上に、すっと、こう、あるとないが一つになった形が現れたなら、、と。
今年は3月に神戸元町カフェクリュでの10周年祝いで絵の展示を、6月に神戸のギャラリー島田で展覧会を予定しています。そして4月には、神戸港にあるスタジオで、ある方と共に人を待つ時間を設けます。詳しくは後日。他の町でのことは未定ですが、また。

ではみなさん、また。