春の音

季節が変わったよう。レモン色やキャラメル色のお腹をした小鳥たちが尾を振りながら歌うように飛び回っている。とんびは空にピーと輪を描いている。辛夷のつぼみも少しずつ膨らんで、玄関の雑草もゆっくり背をのばしている。この星の上でどれだけの生き物が暮らしているのだろう、ふと思う。大地が割けて芽が出る、凍った川が開く、冬眠から目覚める、匂いが変わっていく。アステアステ(ゆっくりゆっくり)春の気配。