海の向こうを思う_ブラジル

しばらくQ2のこと書きます。

Q2に一日いると、海の色そして海の形が変わり続けていることに感動します。
とてもあたりまえのことですが、そういうあたりまえのことのおかげで、心のリズムに気がつきます。
晴れても雨でも嵐でも、いいです。

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この神戸からたくさん方が新天地を求め旅立っていったとききます。

C.A.P.事務局がある山の麓の建物も、移民の方たちの渡航前の研修所でした。この神戸からブラジルに渡った人の中に、私の友人のご両親もいらっしゃいます。
彼女と出会ったのは東京の友人宅の玄関でした。ちょうど上京しその家に泊まらせていただいている日に、彼女はサンパウロから長い移動を経て二度目の帰国、やっと友人宅に到着しました。
最初はあまりの大きさに驚きました。ハグをすると押しつぶされそうで、でもとても気持ちよくて、嬉しくなる。なんだか変な言い方だけど、野生動物みたいで、人ってもともとはこんなのだったんだって感じました。
朝起きると、昨晩とは別人のような様子で、トランクに入れて持ってきた自家栽培の珈琲をいれて、ペティキュアをしたきれいな足を組んで座っていました。
朝の公園で椿を見つけ椿姫のアリアを歌ってくれたり、バレリーナのように踊ってくれたり、ブラジル東北部の舟歌を低く太い声で歌ってくれました。
そして彼女と一緒に紙を漉いたことを思い出します。
紙漉の産地出身の父さんの故郷で白砂のような母さんの骨を紙の中に入れました。
「浩子ちゃん、ここに宇宙があるよ」って。
長い旅路の中のほんの一瞬のできごとが永遠のように思えます。