海の向こうを思う_インディア

小さな頃は大雨の日はきまって停電になりました。
「懐中電灯どこー?ローソクはー?」って叫んでいた。
そう言えば、冷蔵庫も停電していたんだって今になって気づきました。でも母も祖母も特に困っている様子はありませんでした。

この間、アンタイルさんでフィリピンのこどもたちの絵の下でお話会をしましたが、そのときのお客様の話がとても興味深かったです。
フィリピンが大好きだという男性にどこが好きか?と訊ねたら「人のあたたかさ」と返ってきました。家族を大事にする話にもなりました。
お母様がフィリピン人で小学校にあがるまでフィリピンで暮らした青年が「たしかに、小さい頃は停電もあったし物はあまりなかったけど、豊かだった」と話してくれました。
参加者の一人ドイツ人の父親を持つ5歳の男の子に「停電知っている?」と訊ねると「何???」と返ってきました。
北海道から来ていた友人は「豪雪地帯に住んでいるから周りの方と力を合わせるのは当たり前」と話してくれました。私の母も北海道生まれなので、そのことはよくきいてきました。
その夜は、ローソクの灯のように、フィリピンのこどもたちの絵がありました。

インドではしょっちゅう停電になりました。
夜道を自転車で走っている途中だと、真っ暗になって驚きました。
家の中にいる時は、蛍が部屋の中にいたことに気づきました。
電気がないと、いろんな音が聞こえてくるのですね。
ローソクを囲んで話をしたり、ローソク一本持って水浴びしたり、友達がギターを弾きはじめたり、星空を仰ぎ夜風を楽しみました。

停電が恋しいこの頃です。

Santiniketan,INDIA 2011