岩手再訪 20180404

2018年4月4日(水)くもりのち雨

朝の散歩、岩手山神社まで往復5キロを歩く。
唐松と熊笹の車道はフキノトウのパレード、歩いている人は全く見かけない。
ときどきトラックが隣を駆け抜けて行く。この道は雫石と繋がっているからだろう。
今日は曇っているので岩手山は見えないが、たしかにこの先に山がある気配を感じる。
雪解け道の境内には人の気配はなく近所の犬の吠える声が響いている。
湿気を含んだ葉がクッションのように柔らかい。
小さな狛犬のそばで空を見上げると杉の木が空に向ってまっすぐ伸びていてそれ以外何もないほど贅沢だ。
小走りで家に着くと長内さんがストーブに薪をくべていた。
食卓には昨日網張温泉で見つけた立派な干し大根と鯖の煮物が並んでいた。
再会を約束して長内家をあとにした。

10時半に肴町のナナックで飯坂真紀さんと待ち合わせをしていた。
「ナナックの美味しいパン屋さんの前で」というメッセージはいかにも飯坂さんらしい。
一角に盛岡のパン屋さんが少しづつパンを持ち寄って販売しているカウンターがあった。
近くには岩手特産コーナーも併設されていて、飯坂さんは既に到着していた。
飯坂さんとは2012年冬「はなしの旅」の最終回で神戸に来ていただいて以来の再会になった。
飯坂さんは画家さんである一方、岩手の民俗芸能に精通し、ふるさと岩手の芸能とくらし「とりら」の編集者でもある。
岩手が民俗芸能の宝庫だと教えてくれたのも飯坂さんだった。
自ら歩きみて人々と接し重ねた話は大変説得力があり興味深い。
さて雨降り予想ということで、まずは折りたたみの傘を買い歩き出す。こういう時に入る地元の店っていいな〜
もりおか歴史文化館、岩手銀行赤レンガ館、桜山神社近くの少しお高い食材屋もチェック。盛岡はかっこいい建物が沢山あってうっとりする。
近年解体反対運動で残ったという岩手県公会堂の前からバスに乗る。すっとバス券を差し出してくれた。
昼ご飯はチッタという感じのよい店で地元の野菜をふんだんに使ったカレーを食べる。やはりカレーなのです。
近況を語り合った。共通の知り合い書家の沢村澄子さんに連絡をとり、このあと盛久ギャラリーで会う約束をする。
店主は長内さん飯坂さんと同じ岩手大特美コースの出身で彫刻を専攻していたという。関西なら竹が沢山あるか?という質問に何の事?と思ったが、その訳は東北は関西のように竹が自生しないということだった。彼は青森出身だった。
店を出る頃には雨が激しくなっていた。
傘で身を隠しながら盛久ギャラリーに着くと、しばらくして沢村さんが現れた。
その後、桜山神社近くの六月の鹿という喫茶店で珈琲とチーズケーキを注文する。窓から堀を見下ろせる。初夏には蓮がきれいだそうだ。
主人は道具を繕っている。
雨はまだ降り続けていた。駅前まで移動して新しくできた古本屋を探したが休業日だった。
飯坂さんとは駅の中の本屋で別れ、そこから東北本線で2つ南下し岩手飯岡駅下車、都南図書館まで行く。
小綿さんの仕事終業後、盛岡冷麺を食べ、家路につく。

◯はなしの旅
高濱浩子の「はなしの旅」
2012年の1年間、2ヶ月に1度ゲストを招き「野生」をテーマに語り合うトークイベントを行った
場所は神戸港第4突堤にあったSTUDIO Q2(C.A.P.)
最終回は「岩手のくらしと芸能」と題しいゲストに飯坂真紀さんを迎えた
「一変したふるさとの地を踏みならし、祈り舞う。自然の猛威を知る人達が、必要としてきた祈りのかたち芸能とは何だろう。
私たちは形のないものと交わりを繰り返しながら、命をつないで来たのでしょうか。」(はなしの旅案内より)
http://www.cap-kobe.com/club_q2/2012/10/24170912.html