フィリピン再訪 演劇ワークショップでアジアの農村をつなぐ  レポート4

演劇ワークショップでアジアの農村をつなぐ  レポート4
「バナウェからマヨヤオへ」

昨日はラガウェからバナウェへ公共バス(ジープ)で1時間、Green View Lodge に到着すると、ワークショップ前半組のアーティスト三輪恭子さんとコーディネーター小山冴子さん、バギオのアーティストRpchelleがライスワイン(地元の米酒)をのみながら和やかに話していました。
このワークショップは2班に分かれていて私たちは後半組というわけです。
谷の上に立つロッジの窓からは、水源となる山、棚田、家、道、蛇行する川が見渡せ、これからの時間と出会いのはじまりを肌で感じました。
明日と明後日は参加校をまわり、皆さんの日々の風景を少しでも共有できるように訪ねます。

朝を迎え、マヨヤオに向う前に博物館に行きました。
トライシクル(三輪タクシー)に乗って、坂を上って行くと一軒家のような博物館があります。中に入ると、所狭しと農業の儀礼に使うものや日用品等が置かれ、どれも木や動物の骨などで作られています。それらをみていると、精霊の存在があたりまえであることや、植物や動物との距離が近い事や、人間も含め生き物の魂の在処がはっきりしていることを感じました。万物との繋がりの中で人は存在している、ということを目の前に差し出されているようでした。
博物館を出て、車に乗り換えさらに先へマヨヤオへと向います。
行く先には何度も崖崩れがあり、土砂で狭くなった道を進んで行きます。
むき出しになった赤い土にカラフルな鶏、その上を見上げるとバナナの花がぶら下がっていたり、大小の棚田が続いています。ちょうど収穫シーズンですが、雨ということで、人の姿はありません。
まずは、第1校目のBanaue National High
Schoolに着きました。道路から大きな石段でぐっと谷に下ったところに学校は、2、3日前の雨で、野外体育館は半分土砂に埋まっていましたが、それでも他の教室で授業は行われています。ここは蛇行する川が見渡せるところで、その川からは温泉が湧き出ています。茂る山の斜面に作られた学校はこの地形に添いながら日々が営まれているのです。道路に出るまでのくねくねとした石段の形もそれの一部です。
そして2校目は、Tulead National High
Schoolです。ここは山の中にありますが道路の近くにあります。先生に「この村に住んでいる生き物は?」と粘り強くきくと、5mもある蛇のことやコブラやら山の中に潜むもの達がどんどんどんどんと出てきました。それを絵にしてくれたらとお願いしました。
今日の訪問はこれで終わりです。マヨヤオの中心地に着くと夕方で、ずいぶん遠くまで来た気がしました。市場で旬のアボガドとマンゴを買い、Mhilka
Lodgeで一泊しました。
マヨヤオは日本軍が突き進んだ地でもあります。

2018年7月19日(木) はれ、くもり、小雨