17/11/08
フィルムフェスティバルが「ギータンジャリ」映画館で始まっている。北野武の「Hana−Bi」を観る。最後の音楽が終わるまで椅子に座っている。気づけばすっかり人がいなかった。
18/11/08
「KITE RUNNER」(カナダフィルム)を観る。とても観やすかった。音楽も良かった。レイモンドの口笛を聞きながら夜道を走る。その後ミラクルが起こるとは知らずにいた。
19/11/08
夜が始まる頃、ここインドも日本と同じように青い時間をむかえる。青い時間とは、私がそう呼ぶと決めているだけだが、すべてのものが青みがかってみえる夕刻の終わりの時間のことだ。その時間は、そのあたりの草木が今にも息を吹き返し、なにかに変化するようにみえる。特に赤い花々はとても妖艶でぞくっとする。今日青い時間に、庭に目を向けるとレブ(レモン)の実が蛍光色のようで、平面に描いてあるなら、まるで浮き上がって見えてくるようだった。青い時間には魔法使いがあらわれるのではないか。
かぼちゃの花をおそるおそる触る。触れてよかったのか戸惑うくらいやわらかかった。その傍、茎と葉を気軽に触ると指先に白く細かい棘がささる。手裏剣を食らったようだ。
20/11/08
プジャバケーションが終わり、学校に変えるとスタジオの前の木が、赤いふらふらの実をつけていた。それを手に取り、中を取り出してみると指先に朱色がべたりと付いた。これを額のまん中の髪の生え際につけると、それは既婚女性のしるしになる。夕暮れ時、尾が二股に分かれた鳥の飛行があまりにも華麗で見とれる。
21/11/08
牧野先生に会いに行く。時節が来れば、すべてなるようになる。
22/11/08
今度のナンダンメラ(アートフェアであり学園祭)の日本コーナーのために、日本人でおはぎと団子を作る。木の下にいると風になる。いつもと違う道を通り学校へ行く。通りに出ると、シャンティ二ケトンの樹が目の前にあった。
23/11/08
ラクルが起こる。レイモンドがメッセンジャーになった。陽子さん、墨絵ワークショップ盛会。
24/11/08
「自分を放棄する。」
25/11/08
早朝、庭を裸足で歩く。やしの樹がひんやりしていて、とても気持ちよい。昼からコルカタへ。
26/11/08
もうすぐベルギーからお客様を迎える。
27/11/08
家に帰る赤い道。ベンガルの大地がむき出しになっている赤い土の道。はだしで歩くと最高。つめたかったり、あったかかったり、ちく、ふわふわ。台湾から来たニーナと出会う。ベンガル語の文字がとても美しいと彼女は言っ、同じ文字をたくさん書いたノートを見せてくれる。ほんとうに美しいね。
28/11/08
26日ムンバイでテロがおきたらしい。それで何が生まれるの?それで何が終わるの?それを知ったのは夕方だった。朝から何もする気が起こらず、何も考えたくなく、家を出る。自転車を気が向くままこぎ、そうしたらいつもの道が違って見える。学校で作業に参加した後、遅いご飯を食べ、隣村シュリニケトンまで走る。気持ちよくて裸足になる。芝生の上に座って空を眺める。少年たちがクリケットを始める。学校に戻るとクリシュナがひよこと一緒に入ってきた。犬に食べられる前に助けてあげたようだ。
29/11/08
世界はつながっているらしい。
30/11/08
夏についたサンダルの跡が少し取れ始めた。気がする。
01/12/08
学校では祭りの日のようだ。朝から団子を作る。
02/12/08
学校では祭りの2日目のようだ。朝から団子を作る。
03/12/08
学校では祭りの後のピクニックのようだ。コパイ川のほとりで葉っぱの皿で美味しいものをたらふく食べる。皿の上に、ご飯、ギー(バターみたいなもの)塩、カリフラワーサブジ(カレー)、パニールサブジ(チーズカレー)、ダール(豆スープカレー)、フライドポテト、ドイ(ヨーグルト)、ロシュグッラ(甘いデザート)。みな話をしたり、歌ったり、楽器を演奏したり、動物を追いかけたりしている。3通手紙が届く。
04/12/08
茶柱が二本同時にたった。
05/12/08
目が見えなくても描ける。それは音楽。
06/12/08
一日が終わった。


04/12/